「楽譜は読めるべきか?」

秋もいよいよ深まって参りました。

東京都 杉並区 荻窪 下井草 杉並の森ヴァイオリン教室です。

「楽譜は読めるべきか?」。
やや日本語がおかしい気もしますが上記について考えてみたいと思います。

世の中には耳コピでの練習を推奨する流派があります。
*耳コピとは楽譜を見ずに音(誰かの演奏)を聴いて真似して弾く事です。
ある程度まではスラスラ弾けるので、正直楽譜を見て弾くより楽しいと思います。

当ヴァイオリン教室ではと申しますか私は教え始めた時から必ず楽譜は読めるように、読むように指導しています。
それが当然と思って生きてきたのですが最近考えさせられる事が多くあり、改めて考察しました。

耳コピで良いのか?楽譜を読むべきか?

私の出した私なりの答えは「基本的には楽譜を読むべき」です。

なぜか?
「クラシック音楽は奏者が楽譜を読めることを前提に成り立っている音楽だから」です。

答えに「基本的には」とありますが、では例外は何かと申しますと、
・演奏する期間が短く決まっている場合・・・・・・例えば1年後の結婚式で演奏したい
・弾きたい曲が簡単でそれさえ弾ければよいという場合・・・・・・歌謡曲の旋律例えばどなたかの歌手の歌やジブリやディズニーなどがとにかく大好きでそれだけ弾ければ良い
・ケルトやジプシーの音楽をやりたい場合
上記の場合は楽譜が読めなくても恐らく何とかなります。
特に最後のケルトやジプシーの音楽は口伝え(実際には弾くわけですが)で伝わった音楽なので譜面が読めなくてもきっと演奏する事は可能です。
ただ現状日本ではあった方がやりやすいとは思います。
ジャズは「ジャズそのもの」を演奏するのには譜面が読めなくても多分大丈夫ですが(その代わりといっては何ですがコード譜を理解する必要があります)、演奏する技術をつけるためには読めないとキツイかなという印象です。これは他のジャンルにも言える事ですが。

ここをご覧になっている方の多くはお子さんにヴァイオリンを習わせようかお考えの保護者様や、或いはどこかでヴァイオリンの美しい音色を聴きご自身でも弾いてみたいと思われた大人の方ではないかと推測します。
クラシックの難曲をバリバリ弾きこなして欲しいとまでは思わないけれど生涯の楽しみの一つに音楽や楽器演奏が入ると素敵だ、音楽を通して素晴らしい経験や人間関係を築いて欲しいと思われている方が多いのではないでしょうか。
人生は長いのです。歌謡曲は素敵ですが歌のために作られた曲。それだけを弾ければ良いと判断するのはあまりにも、早い。

楽譜は言語の一種でもあります。
そこに一冊の楽譜があるだけで、話す言葉の通じない人ともアンサンブル出来るし何かを一緒に楽しむ事が出来る。
素敵じゃないですか?
(余談ですがコード譜も読めるとさらに世界が広がります。)

あっと言う間にクリスマスが見えてきてしまいました。
本当に早いですね。
12月には発表会の要項発表と参加不参加の申し込み締め切りがあります。沢山の生徒さんが参加してくれると嬉しいなぁと思いながらあれこれ考えています。
皆様も風邪など召されませんように。

杉並の森ヴァイオリン教室 日俣綾子

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