Historical Performance Practiceとは?

こんにちは。
東京都、杉並区、荻窪、下井草、杉並の森ヴァイオリン教室でございます。

前回の更新からすっかり時間が経ってしまいました・・・。

8月の最初の頃に、大学時代の同級生と3人でお昼とお茶を頂きました。
少し特殊(?!)な同級生でして、同門(原田幸一郎先生、西和田ゆう先生。)・同寮(桐朋学園調布寮。1人は違いますが・・・)の友人です。学生時代は実技試験の前にもう1人の友人も呼んで「弾き合い会」をやりました。お互いの演奏を聴いて「良いと思った所と改善した方が良いと思った所を必ず1つずつ言おう!」と決めて。とても充実して楽しい時間を一緒に過ごした大切な友人達です。

今回3人で会ったうちの1人は現在イギリスのバーミンガム在住で一時帰国中に集まろう!という事になったのです。
彼女はなんとバロックヴァイオリンに転向しまして今はバロックヴァイオリニスト。そんな彼女が最近オンラインで講座を開くというので、先日視聴しました。

そこで出会った言葉が「Historical Performance Practice」。翻訳すると「歴史的パフォーマンス(演奏)の実践」という事になります。よく分かりませんね。専門知識を用いて解説しますと「作曲当時の演奏スタイルで、或いは作曲当時の演奏スタイルに出来るだけ近づけて演奏を行う」という事になるでしょうか。
「バッハ 無伴奏ヴァイオリン」で検索して聴いてみて下さい。本当に色々な演奏があります。一人一人の演奏の違いがロマン派の曲より大きいと感じる方も多いと思います。大きく分けると「大きな音を長く伸ばして弾く演奏」と「そんなに大きくない音を短めで弾く演奏」になるでしょうか。後者の演奏はバッハの時代のバロックヴァイオリンを用いた演奏スタイルに近付けています。確か20年くらい前までは前者の演奏が殆どでしたが、最近は後者の演奏も増えてきていますね。どうしてそうなったかを書くと膨大な量になるので省きますが今、「バッハの、作曲当時の演奏スタイルに出来るだけ近づけて演奏を行う」動きが大きく出てきています。そして欧米にはそれはバッハ等バロックの作品だけではなく、もっと後の作曲家の作品もその考えを用いて演奏しようという動きがあるそうです。例えばブラームスとショスタコーヴィチの音は同じで良いのか?といった感じです。

個人的には嬉しく、とてもワクワクしています。
私にはクラシック音楽を学ぶ事がとても辛かった時期がありました。神と称えられるような巨匠が何人もいらっしゃるのですが私は「この人のこの曲の演奏は好きだけどあの曲の演奏は好きにはなれない」といった事が多く、それは周囲の意見と乖離していました。自分はおかしいのではないか、本当は音楽が好きではないのではないかと真剣に悩みました。(昔の演奏家はあまり作曲家によって弾き方を変えるという事をあまりしませんでした。個性なのでとても素敵な一面でもあるのですが・・・。)そんな昔に心の奥底にしまい込んだ小さな蟠りが解けてくれそうな予感がしています。

友人はバロックヴァイオリンのオンライン講座をまた開くそうなので、早々に申し込みを済ませました。
この歳になると覚えるにも時間がかかり、時にしんどいと思う事もありますがまた学びを深められる事を喜びたいと思います。そしてこの学びを来年4月のコンサートで披露する予定です。

あ!・・・・・・お昼とお茶は音楽の話は殆どせず、家族と自分の健康の話と学生時代の思い出話に終始しました!

一番暑い時期は過ぎたようですが、次は台風の季節でしょうか。どうか皆様ご安全になさって下さいね。

杉並の森ヴァイオリン教室主宰 日俣綾子

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